第80話「クロ 確保される(笑)」

チャッピーがいなくなってから、少しずついつもの生活に戻ってきたころ。

今度は、クロのことで少し気になることが出てきました。

最近、よく咳をする。
耳を、かきかきすることも多い。

そして――

なんだか、お腹もふくらんでる(笑)。

具合が悪そうなわけではありません。
ごはんも、いつも通りよく食べます。

でも、一度ちゃんと診てもらおう。

そんなわけで、検診もかねて病院へ連れて行くことにしました。

問題は――

どうやってクロを捕まえるか(笑)。

クロは、こちらが何かしようとしている気配を察すると、とにかく素早い。

完全に目が覚めてからでは、まず無理です。

狙うのは、寝起き。

そして今回は、母との二人がかり。

私がクロを持ち上げている間に、母が下から洗濯ネットを広げます。

クロは一瞬、固まりました。

耳は、ぺたーん。

口は、一文字。

身体まで、きゅーっと丸く小さくなって――

目だけ、まん丸(笑)。

ものすごく嫌そうです。

しかも、この状態が長く続くわけではありません。

時間がたつと、決死の覚悟で暴れ始めます。

だから、急がなければなりません。

「今!!」

母が下からネットを広げて――

確保!!(笑)

 

作戦成功です(笑)。

※この持ち上げ方は猫に負担がかかることもあるため、普段はしていません。今回は病院へ連れて行くため、短時間で確保しました。

そのままネットに入ったクロをキャリーへ。

そして――

ここからが、うるさかった(笑)。

「あおお~~~~ん!!」

「あおお~~~~ん!!」

キャリーに入ったときから、ずっとです。

クロが、こんなに大きな声を出すなんて。

「あんた、チャッピーみたいな鳴き方するね(笑)」

チャッピーがよく出していた、あの大きな声。

一瞬、チャッピーが鳴いているのかと思うような声でした。

車では、キャリーを後ろの座席へ。

母が隣に座って、ふたを開けてずっと撫でていました。

クロは飛び出そうとはしません。

ただ――

「あおお~~~~ん!!」

抗議だけは、やめません(笑)。

そして着いたのは、チャッピーが通っていたのと同じ病院。

この日は先生に、チャッピーが亡くなったことも報告しました。

先生は、

「そうか~、残念ね……」

そしてキャリーの中のクロを見て、

「そしてクロはどうしたの?」

待合室では、犬たちの声が聞こえます。

ワン!
ワンワン!

その中でクロは、

「あおお~~~~ん!!」

まだ鳴いています。

母が撫でても、

「あおお~~~~ん!!」

クロ。

まだ診察室にも入っていません(笑)。