第78話「家の中も変わった」

チャッピーがいなくなって、

家の中も、少し変わりました。

いちばんわかりやすかったのは――

食事の時間。

ある朝。

いつものように、母と朝ごはんを食べていました。

テーブルには、焼いた鮭。

それも、堂々と置いてあります。

……魚が、普通に置いてある(笑)。

 

チャッピーがいた頃なら、こうはいきません。

魚を焼き始めれば、台所へ出勤。

テーブルに置けば、油断大敵。

ちょっと目を離したら、

食われる(笑)。

魚だけじゃありません。

唐揚げも。

豚肉も。

牛肉も。

ソーセージも。

とにかく、肉と魚には目がなかったチャッピー。

食事のたびに、

「チャッピー!だめ!」

「こら~~!」

そんな声が飛んでいました(笑)。

それが今は――

静か。

魚を置いておける。

ゆっくり食べられる。

振り返っても、魚はちゃんとそこにある(笑)。

ものすごく平和です。

クロはというと、

魚を強奪するでもなく、

唐揚げをくわえて逃げるでもなく――

そのへんで転がっています(笑)。

平和になった。

とっても平和になった。

なのに、

こんなに静かだったっけ。

こんなにゆっくり、ごはんを食べられたっけ。

「チャッピー!」

そう言うことも、なくなりました。

毎日の暮らしの中には、

チャッピーがいた跡が、あちこちに残っていました。

いなくなって初めて気づくことって、あるんですね。

食卓は、とても平和になりました。

でも、ちょっとだけ物足りない。