第63話「最後の魚」

チャッピー 最期の10日間

9月4日。

チャッピーは、
ずいぶん痩せていました。

それでもまだ、
自分で歩いて、

テーブルにも
上がることができました。

この日、

チャッピーが
窓のほうへ歩いていきました。

外を見るのが大好きだった
チャッピー。

この写真が、

チャッピーが窓から外を眺める
最後の姿として残っています。

今になってこの写真を見ると、

光の中へ向かって
歩いていくようにも見えます。

でも――

この日のチャッピーは、
それだけでは終わりませんでした。

そのあと、

テーブルの上には、
食べ終わった魚の皮が少し残っていました。

するとチャッピー、

自分でテーブルまで上がってきた。

食べる量は
ずいぶん少なくなっていたのに、

魚は別だったらしい(笑)。

残っていた魚の皮に食いついて――

「がるるるるる~~~!」

すごい声(笑)。

「チャッピー、食べるの!?」

食べるんだったら、
身を残しておいたのに……。

そう思ったけれど、

もう残っていたのは
皮だけでした(笑)。

ガリガリになっても、

魚を見つければ
自分でテーブルへ上がって、

食いついて、うなる。

「食べるんだったら、
身を残しておいたのに……」

そう思いながら、
ちょっと笑いました。

これが、

チャッピーの最後の事件になりました。