先日、88歳になった今も洋裁教室を続けている母のことを書きました。
ちなみに私は、母のことを名前で「ヨーコ」と呼んでいます(笑)。
昔「ばあちゃん」と呼んだら、
「あんたのばあちゃんじゃない!!」
と怒られまして(笑)。
孫もいるし、80歳も過ぎたら「ばあちゃん」でいいじゃないかと思うのですが、本人はお気に召さなかったようです(笑)。
それ以来、ずっと「ヨーコ」。
私も呼びやすいし、今では母というより、ちょっと友達に近い感覚なのかもしれません。
そんなヨーコ。
実は今年の米寿のお祝いにも、ちゃんと自分の“作品”を着てきました(笑)。
それが、この服です。

もとは、私が成人式に着た振袖。
私は昭和36年生まれ。
今から45年ほど前、成人式のために母が仕立ててくれた振袖でした。
当時の母は洋服だけではなく、着物も仕立てていました。
その振袖が、ずっと残っていたのです。
そして去年だったでしょうか。
ヨーコが突然、こんなことを言い出しました。
「あんたの振袖、リメイクして米寿の時に着ようかな」
えっ?
振袖を?(笑)
もちろん、88歳で振袖をそのまま着るわけではありません。
自分で仕立てた娘の振袖を、自分でほどいて、自分の米寿のための服に作り直す。
これが、ヨーコです(笑)。
そして出来上がったのが、緑の振袖を使ったこの服。
しかも残った布で、帽子まで作りました(笑)。
作った人もヨーコ。
着る人もヨーコ。
なんともヨーコらしい米寿の衣装になりました。
米寿のお祝いは、白老の温泉貸別荘「望碧(のあ)」に一泊して行いました。
到着すると、目の前には海。
そして私は久しぶりにカメラを持ってきていました。
これはもう、撮るしかありません(笑)。
目の前が海。しかもタダ。
元写真館としては、こんなロケーションを使わない手はありません(笑)。
というわけで、到着早々、米寿の記念撮影が始まりました。
海をバックに、45年前の振袖から生まれ変わった服を着て笑うヨーコ。
そのあとは、みんなで一泊のお祝いです。
料理は私が作りました。
母は洋裁担当。
娘は料理と撮影担当。
こうして考えると、なかなか忙しい親子です(笑)。
でも、この服を見ていると少し不思議な気持ちになります。
45年前、母が娘のために仕立てた振袖。
それを88歳になった母が、今度は自分のために仕立て直して着る。
あの成人式の時には、まさかこんな日が来るなんて、母も私も想像していなかったでしょう。
着物は形を変えました。
私も歳を取りました(笑)。
そして母は88歳になりました。

それでも、母が縫ったものは、こうして今も私たちの時間の中に残っています。
そして本人は今日も元気です。
たぶん来年も、何か作っていると思います(笑)。